日本時間3月9日、タイガースが先発右腕ホセ・ウルキディと1年+球団オプションのメジャー契約を結んだことを発表した。アストロズで5シーズンに渡って活躍してきたウルキディは、昨年6月にトミー・ジョン手術を受け、昨秋に退団していた。2025年シーズンの開幕に間に合うことはないが、今季終盤に復帰する可能性がある。米公式サイト「MLB.com」のタイガース番記者ジェイソン・ベックが報じている。
現在29歳のウルキディは2015年のプロ入りからアストロズ一筋でプレー。高い制球力、ホップするように変化する4シーム、そしてチェンジアップを武器にアストロズの強力ローテーションの一角を担ってきた。通算5シーズンで79登板、防御率3.98、9回あたりの与四球2.16個と安定感あるパフォーマンスを発揮。しかし、昨年6月にトミー・ジョン手術を受けると、昨秋には40人枠から外され(アウトライト)、FAとなっていた。
タイガースはウルキディに今季より来季の活躍に期待し、1年+球団オプションの契約を提示した。ウルキディの今季の年俸は100万ドルに過ぎないが、2026年は基本給400万ドル、さらに出来高を全てクリアすれば最大700万ドルに膨れ上がる球団オプションが付いている。
タイガースがウルキディを獲得した理由は、来季の先発デプスの補強にある。タイガースは今季限りで前田健太との契約が切れ、さらにジャック・フラハティもオプトアウトすれば退団の可能性がある。さらにエースのタリック・スクーバルも来季限りでFAとなるため、仮にスクーバルとの契約延長がまとまらなければ、トレードに踏み切る可能性もゼロとは言えない。実績があるウルキディを加えることで、ベテラン不足の来季のローテーションを補えるかもしれない。ウルキディの実績からすれば、この契約はリーズナブルと言える。さらにウルキディが今季終盤に復帰し、コンディションが芳しくなければ、バイアウト(違約金)なしで来季のオプションを破棄することもできる。
今春は前田、ケーシー・マイズ、ジャクソン・ジョーブによる熾烈な先発ローテ争いが起きているが、ウルキディの復帰は後半戦以降と予想されており、それに水を差すものではない。スプリング・トレーニングがすでに始まっているこの時期の契約ということもあり、ウルキディは契約発表後すぐに60日の故障者リストに登録された。着実な補強で2年連続のポストシーズン進出を目指すタイガースが、FA市場の終盤にかけての停滞につけ込み、再び堅実な補強を打った。
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